2.24.2011

Study in Mee Siam ミーシアム

ミーシアムは今、海南鶏飯食堂の毎年恒例のシンガポールフードフェアで提供しておりますです(3月13日まで)。実は、ミーシアムの存在はかなり前から知っていたのだが、その美味しさがいまいちわからなったのだ。ただ、シンガポールを代表する麺料理の一つである事に違いはない。しかも、色んなバージョンがあり、ここまで色々なテイストがある料理は珍しい。フィッシュヘッドカレーと同じ様に、チャイニーズ・マレー・インド・ノニャ風が存在する。しかし冒頭申し上げたように、あまり意識して食べる事の無かった料理だったので、その違いに関心がなかったのだ。ちなみに上の写真はマレー風だ。
私も、チキンライスのように何十件というお店をミーシアムでは回っていないので、そこまで詳しく説明はできない。ただ、どのスタイルにも共通するのは、その甘酸っぱいソースにサンバルチリでほんのり辛くし、ビーフンと一緒にスプーンとフォークで食すところ。決して箸ではない。その為、ビーフンはあまり長くなく、スプーンで食べやすく事前に切ってあるのだ(カトンラクサみたいだが、カトンラクサの場合はレンゲで食べる)。ちなみに上の写真はノニャ風のミーシアム(最初のマレー風と具材は一緒だ)。ソースは主に、香味野菜・チリサンバル・タオチオ(味噌)・ナンプラ・砂糖。
ミーシアム、マレー語で直訳すと「タイヌードル」。タイヌードルというとタイがこの麺の元祖なのか?私なりに説がある。その1:タイ現地の麺をシンガポール流にアレンジされたもの説(カノムジーン等)。その2:タイの国境に近いペナンで考案され、シンガポールに流れて来た説。いずれにしても、これはもはやシンガポール料理で、タイ料理ではない。上の写真はココナッツの入った、インド風のミーシアム。これまた具材は一緒だが、ココナッツミルクが入っており、少しほかのものと比べて甘い。

上の写真は中国風のミーシアムだ。これまた具材は一緒で、どこがチャイニーズなのかと疑問んい思うが、今回色々ミーシアムを食べて私流に結論づけると、ベースのグレービーは殆どかわらないのだが、辛さや甘さが微妙に違うという事。そしてインドに関して言えば、ココナッツミルクが入るという事。ただ、インドとマレーのハイブリッド系は存在している、確認している。一番の違いはサンバルチリにある。これで、かなりその民族の個性の味がでていると思う。辛さにしても、コクしても、濃度、甘さにしても。こちらは、たまたまJB(ジョホールバール)でかなり旨いチェンドルを食べた時にお店で売っていたミーシアム。さて、あのグレービードロドロのミーシアムが何故、バナナの葉に包めるのか?と思う。そう、JBのミーシアムは焼ビーフンなのだ。別名ミーシアム・ケリン(Mee Siam Kering)とも言われている。Keringはマレー語でドライという意味だ。下はマラッカで食べたミーシアムだが、JBのようにドライだ。大きな違いは、サンバルチリがグレービーのようなところだ。さて、ペナンのものはシンガポールのミーシアムに近いのだ(リサーチしたところ)。なので、やはり、ミーシアムはペナンの影響なのか?

2.15.2011

Yong Tau Foo Dry Version ヤントウフーのドライバージョン

ヤントウフーといえば、定番は日本のようなおでん定食のようなスタイルが主流である(汁があるという事)。今回はあまり知られていないドライバージョンを紹介するとしよう。お店に並ぶ、色々なネタを選ぶというのは変わらない。それを出汁でリヒートしてくれる、揚げ物系は揚げてくれる。このお店では、揚げたイカンビリス(ジャコ)をアクセントとして振りかけてくれる。そして、ソースは定番の2種類のソース(ドライチリを使用したどす黒赤いソース)と海鮮醤(甘い甜麺醤のようなもの)。海鮮醤だが、なぜか、ソースの材料に海鮮類は入っていない。
Yong Tau Foo is a Hakka dish. Assorted veggie, soybean, fish paste/pork paste stuffed item that's been served with an aromatic broth. Yet historically, long when Hakka people lived in the north, it used to be dumplings but it became a substitute for Northern dumplings when they migrated south and settled there. They no longer had access to the flour so they used soybeans (tofu) instead for wrapping the minced meat. Above, is the dry version of Yong Tau Foo which I had at Tanjong Pagar Plaza @ Rong Xing Hakka Yong Tau Foo. Eating this non-soup version of yong tau foo, few questions came up to mind. First, the sweet sauce that came with it. I assume it's Hoisin sauce based. What's funny is, if you write Hoisin sauce in Chinese character it is "海鮮" meaning, seafood. But it doesn't contain any seafood -and it does not taste like seafood base at all. Another question is: when did this type of soupy yong tau foo become universal. From what I know, the Hakka yong tau foo is originally "braised" with oyster sauce-soy sauce base (from Reviving Local Dialect Cuisines: A Culinary Journey Into Our Cultural Roots). Yet, now when one speaks of yong tau foo, it either comes with soup or dry with the sauces. Thinking about yong tau foo, I became curious with the Ampang style yong tau foo where it's served with gravy and comes on a plate rather than a bowl. Actually, appearance-wise, this looks more like the original yong tau foo except with more variety of choices. Ampang styl -did it start in Ampang, or Jalan Ampang?

これを好みで、ネタの上にかけて、ごちゃ混ぜにする。ちなみに今回オーダーしたものはクウシンサイ、ポークミートボール、揚げ茄子、ゴーヤの詰め物、厚揚げ、そして豆腐を原料とした竹腐という食材(揚げてあります)。この竹腐は濃厚で香ばしい湯葉揚げといった感じです。
2種類のソース
イカンビリス(ジャコ)は、色々なサイズがありますが、皆イカンビリスといいます。やはり、小さめの方がマーケットでは大ぶりのものよりも高いです。

2.03.2011

Jiang Ji Chicken Rice チャターボックス・チキンライスの立役者

このブログはMakansutra Blog Street:The Sergeant Who Loses His Stripes -Jiang Ji Traditional Hainanese Chicken Rice, Tiantianchi氏に許可を頂き、日本語に私が独断で通訳・編集したものです。歴史的にもTiantianchi氏の書かれたものがシンガポール食文化において極めて重要だと個人的に思い、私のブログで紹介する事となりました。
NOTE: Article courtesy of Tiantianchi's "The Sergeant Who Loses His Stripes -Jiang Ji Traditional Haianese Chicken Rice. Hats off to your fabulous article, Tiantianchi! Translation and Editing by "What is Singapore Food? Blog." The article is extremely detailed and has a huge historical significance, thereby personally felt the necessity to translate them into Japanese.

シンガポリアンである我々は個々に好きなチキンライス屋というのを持っている。私の場合、「これ」というお店ではなく、嗜好が代われば好きなお店も代わっていく。あの有名な天天が好きだった時もある。最近では原点に戻り、Purvis St.にある老舗、Yet Conのオールドスクールなスタイルが好みだ。ミニマリストなアプローチで鶏にグレービーがかかってなく、鶏本来の味だけで勝負するお店だ。しかし、香味油と醤油のかかったチキンライスを最近では再び、気になりはじめている。ただ、殆どのお店はグレービーをかけ過ぎており、肝心な鶏の味がグレービーの味となって残念な結果となっている。チャイナタウンのHeng Ji, ノヴィーナのWee Nam Keeや昔のSergeant Chicken Riceなどはグレービーはかかっているが、鶏の味を大事にしており旨いチキンライスを提供している。

さて、現在シンガポールのフードコートにはSergeant Chicken Riceというお店がチェーン展開をしている。その昔、チェーン展開する前、私はこのお店のチキンライス屋が好きだった。Sergeant Chicken Rice (直訳すると軍曹チキンライス)はシンガポールのチキンライスの歴史の中で大きな意味を持っている。しかし何故、クオリティーがここまで落ちてしまったのだろうか?まず、このSergeantを説明することにしよう。実はSergeantというのは実在人物で、その方の名はKiang Joon Toh軍曹である。当然今は軍曹ではないのだが、Kiang氏がもともとSAF(シンガポール陸軍:Singapore Armed Forces)で調理担当の軍曹だった事から彼のニックネームがSergeantとなったのだ。Sergeantとチキンライスの関係だが、1971年、彼は従兄弟からマンダリンホテルで料理をしないかと誘われる。チャターボックスのチキンライスといえば、1970年代最も有名なお店だった。ここのチキンライスが当時の総料理長であるドイツ人が考案したものだとされているが、実はマンダリンホテルに転職したKiang氏(ハイナン系のシンガポリアン)が総料理長に提案した料理だったという事だ。当初、総料理長は本気ではなかったが、色々チキンライスを彼らと試食しているうちに本気でチャターボックスでチキンライスを提供する事を考えるようになったという。そしてその決断が、後に大ヒットとなる。チャターボックスを離れたKiang氏は、STPB(シンガポール観光促進局)からひっぱりだことなり海外でチキンライスの実演を行う。STPBがらみで最終的には1978年、彼はチキンライス屋をRasa Singapura Food Centreに出店・プロドュースする事となる。このお店が何を隠そう、Sergeant Chicken Riceのスターティングポイントである(現在、Tanglin MallとTraders Hotelの場所)。Rasa Singapuraの後、彼は転々とTurf Club, Yishunそして最終的にはChevron Clubで働く事になる。このChevron Clubで彼はFood Republicというフードコートのビッグネームであるジョージ・クエック氏から誘いの声をかけられる。Kiang氏はFood RepublicのSergeant Chicken Riceのコンサルタント兼チーフインストラクターを任される。
最近の噂で、Kiang氏が新しくチキンライス屋をオープンしたときいた。そのお店に足を運んだら、確かにKiang軍曹だった。現在、73歳になってもエネルギッシュで、昔のお客(私)に会えて凄く嬉しそうであった。私は一番気になっていた事を彼にブツけてみた:何故、Sergeant又は、マンダリンホテルのチキンライスシェフという事をお店に出さないのかと。あまり話したがらなかったが、どうやらフードリパブリックとの契約でそうなっているらしく、大手企業のやり方に賛同出来なくなったそうだ。もしやレシピもかえさせられているのか?さっそくチキンライスを頂いた。胸肉だが、ジューシーで柔らかくて美味。鶏にはほんの少々、グレービーがかかって、ライスは香り高く、油加減も私好みで、しっかりとした食感だ。マンダリンホテルと同じく、3色のソースが付いてくるダークソイソース、ジンジャーソース、そしてチリそーす。チリソースは辛みはあるのだが、酸味がない。軍曹いわく、しょうがとチリは混ぜずに別々に味わって欲しいと。その理由は、ソースが苦くなるから。確か、彼の言う通りだ。最後に、彼の今後の計画について訊いてみたところ、息子が跡継ぎになるのを心待ちにしているそうだ。お店の名前はJiang Ji(江記)Kiangをマンダリン語でJiangという。Sergeantではなく、このお店がKiang家にとってこれから誇りとなり、そしてまた伝説が生まれ、子供達がそのレガシーを受け継ぐ。軍曹というラベルなどもう必要ではない、Kiangのチキンライスとして心に残って行く事だろう。