7.28.2010

Yong Tau Foo History 醸豆腐ちょっとした歴史

ヨンタウフー(醸豆腐)はシンガポールのおでんみたいなものだ。ただいわゆる「おでんダネ」は出汁で煮込まれていない。一般的な提供の仕方だがタネはあっさりとした温かいスープ(店によっても違うが、例えば鶏、イリコ、大豆が味のベースとなるスープ)の中に入れてだされる。上の写真はいわゆる客家ヌードルという汁無し麺(店によっても異なるが、ラードと調味料で和えている簡単な麺で挽肉、ネギ、もやしが入っている)。食べ方は:ヨンタウフーのスープに入っている具をチリソースと一緒に頂き、そのおかずを麺又はライスと一緒に食べる(店によっては海鮮醤も出すところもある)。そして箸休めで少しスープをすする。シンプルだが癒される食事だ。ただ、スープ無しのドライバージョンも存在する(スープが別々に付いてくる)。次回食べてみぬと...そしてラクサ好きにはたまらない、ラクサのスープと一緒に食べるバージョンもある(Laksa Yong Tau Foo)。「タネ」もたくさんあって目移りしてしまう。しかしなにしろ名前に「豆腐」とあるので大豆製品は豊富にある。その他は練り物の詰まった豆腐や野菜、フィッシュボール、生野菜等、時には揚げた豚の腸やタラコのようなものまである。ヨンは詰めるという意味なので豆腐になにかしら詰めるという意味の料理だ。なぜこのような客家料理があるのか?それは客家の人々はもともと北から広東省へと移り住んだという背景があるという事。南は米文化に対して北は小麦粉文化だ。北では祭事の時に包餃子(いわゆる餃子)を作るのだが、南には小麦粉が無かった為、客家の人々は現地で多く使用されている大豆を利用。豆腐を使ってミンチした肉を詰めて、ノスタルジックな餃子を再現したのだ。
チャイナタウンコンプレックスの市場へ行くとこのように、ヨンタウフーを売っている。最初は豆腐にミンチを入れただけの料理だが、今ではバリエーションが豊富だ。これもシンガポールやマレーシアの進化系といえよう(広東省に行った事がないので不明)。しかし豊富だが、常温で販売しているので在庫管理が気になるところだ。

7.26.2010

Singapore Airline Jain Meal

インドには古くからジェイン教(Jainism)という宗教が存在する。非暴力主義がコアにあるジェイン教の食事はベジタリアンなのだが、かなり制限のあるベジタリアンとなっている。ジェイン教を詳しく知りたい方は検索して下さい。このブログでは書ききれないっす。今回シンガポール航空で事前注文したのはジェイン教の特別食だ。ジェイン教のベジタリアンとは?まずはにんにく、玉ねぎ、ジャガイモ等、根野菜はNGとなっている。土の中には地上よりもはるかに多くのの微生物が存在する為である(全ての命は平等という考え方)。若葉を食す事もNG(ベビーホウレン草等)。とうぜん、日を置くと微生物(バクテリア等)が増えるので、3日以上たったピクルスも原則NGだ(K.T. Achaya, A Historical Dictionary of Indian Food, Oxford University Press 2006)。ただヨーグルトは食べてもいいらしい。実際、私の機内食にはヨーグルトがついてきている。そして種を多く含むもの(茄子、イチジク)もNG(種=生命)。蜂蜜は蜂の巣を破壊してしまうのでNG。さて、今回のジェインミールにはココナッツとクミンシードがきいたオクラのトーレン(ソテー)とキドニー豆とトマトのカレーがバスマティライスを挟む。味もしっかりとしていて美味だが付いてくる粗挽き黒胡椒をふって食べると更に存在感が増す。
How often do you have the chance to taste a Jain meal? So far as I know, there are not a single Jain restaurant in Tokyo. Now I was aware of the strict vegetarian diet based on the core philosophy of Jainism (non-violence and equality of souls) that root vegetables (such as potatoes, garlic, onion, tapioca, etc) are refrained from eating but I never knew it in details. Singapore Airline, Jain meal consisted of red kidney beans stew and okra thoren with coconut and cumin seeds -both were surprisingly flavorful. According to K. T. Achaya's "Historical Dictionary of Indian Food" Oxford University Press 2006, "pulses that split into two parts were not allowed; nor brinjals, any fruit with abundant small seeds (such as figs), green tumeric and ginger, carrots, the tender green leaves of any vegetable, and tender tamarind fruit before the seeds had formed. Honey was expressly banned on the ground that its removal from the comb implied death of bees..." Yes, and no alcohol either. For more information on Jain diet click here.

7.22.2010

Fried Carrot Cake 菜頭粿 Chai Tow Kway (Kueh)

シンガポールを代表するスナックであるフライドキャロットケーキ。海南鶏飯食堂・恵比寿店でもお馴染みのメニュだが、いつもお客様に「使っているのは大根餅なのになんでキャロット(人参)というネーミングなのですか?」と訪ねられる。キャロットケーキとは、大根餅をキューブ状に切って、にんにく、卵と調味料で炒めたシンプルな料理。ビールのおつまみに最高だ。ちなみに、濃口醤油をきかせたブラックバージョンと濃口醤油の入っていないホワイトバージョンが存在する。さてなぜキャロットか。下の写真に注目してほしい。大根をスーパーで見かけた。
Chai Tow Kway (Kueh) is a popular Singapore snack where radish cakes are made by steaming minced radish and rice flour, cut into cubes then fried with lard, seasonings, eggs, chye poh (pickled chopped radish), garlic and scallions. Similar snack also exists in Penang which is known as char koay kak (炒粿角) but uses rice cakes instead of radish cake with slightly different seasoning.
白菜斗という商品ラベルだ。さて白菜头という漢字の下には英語で「White Carrot」と書かれているではないか!そう、大根の事をキャロットというのだ。ちなみに人参はというと「紅菜头」、直訳するとレッドキャロット。大根一本なんと80セント=50円くらい。やっす〜。
Firm radish cakes (not the soft kind which is usually served at dim sum places) are used for making carrot cake but why is it called "carrot cake" in the first place? Second photo says it all -I went to a Chinese grocery store in Singapore and witnessed a signboard written: "白菜斗 White Carrot." That's right, daikon or radish is known as white carrot, hence the name -fried carrot cake. On the other hand, the regular orange carrot is written: "紅菜斗 Red Carrot." Here in Tokyo, daikon radish would cost between SG$4~$6 but wow, 80 cents is incredibly inexpensive! キャロットケーキを炒めるのに使用するのは中華鍋ではない。分厚くて平な鉄板を使用する。中華鍋を使用するより、広く平な鉄板の方が上手にキャロットケーキのキューブを炒められるのだ。
A very flat (cast iron?) wok is used to fry the carrot cakes. Partially fried carrot cakes are set aside and when order comes, they are moved into the center (more heat) and fried with the rest of the ingredients. Depending on your preference, this dish comes in black (with sweet black sauce added) or white (without it).

7.17.2010

Wolf-Herring, Ikan Parang, 西刀(Saito)

シンガポールでポピュラーなフィッシュボール(魚丸)は弾力もありプリップリで投げたら大きく飛び跳ねるのではないかと思う。いったい何からできているのだと疑問に思い、スーパーに売っているフィッシュボールのパッケージの原材料をチェックする。
小麦粉、スパイス?(一般的なスパイスではなさそうだ。香料という表記=Flavoringsの方が正しいだろう)、コーンスターチ、タピオカスターチ、芋澱粉、塩、MSG(うまみ調味料)。むむ?魚は入っていないのか?これは単なるミスプリだと考える。本来は西刀(英名:Wolf Herring, マレー名:Ikan Parang, 日本名:オキ鰯)を一般的に使用しているようだ。この魚(下の写真)はチャイナタウンのウェットマーケットでいたるところで販売している。一見、太刀魚のようなこの魚、脂身が少なく、あっさりとしたフィッシュボールに適しているといえよう。しかし、やはりこの弾力は、すり身の水分量と澱粉のバランスが大事なのだと思うが、基本的に日本のおでん種と原材料は変わらないが(魚、澱粉、塩、アミノ酸)すり身の配合は日本の方が多いのだろう。調べた所、マレーシアでは50%以上すり身を使用しなくてはならないという規則がある。

7.09.2010

Fishball Noodle @ Teochew Bakso


超ディープなホーカーセンター、People's Park Food Centreに珍しい看板を目にした:潮州魚丸。漢字表記は何も珍しくない、いわゆるテオチューフィッシュボールだ。しかし、その英語表記が私の目にとまったTeochew Bakso?なんでBaksoがフィッシュボールなのだ?シンガポールの他の麺同様、スープとドライタイプがあり、スープタイプはスープの中に麺が入っていて、ドライタイプはスープは別になっており、チリの効いた汁無し麺(写真上)だ。さて、シンガポールではもともとフィッシュボールを福建方言でヒーワン(Hee wan)というが、今はフィッシュボールという言葉の方が一般的だと思う。なのに何故かここはBaksoなのか。調べたところ、インドネシアではBakso(バッソー)はミートボールのジェネリック名で、もともと福建系の言葉が根付いてそうなったのだと推測する。「BAK」は本当は福建では豚を意味するのだが、イスラム教がメインのインドネシアでは豚以外のものを使うのだろう。バッソーはシンガポールではきかない言葉だ。なので、お店のオーナーは潮州系のインドネシア人なのか?ちなみにここのお店のフィッシュボールは弾力があるけどフワフワ感もあり、食感がいいのと、通常のボールより大きめだ。昼にもなるとお店の前には行列が出来ている。