7.25.2009

Prawn Mee Dry Type Home Made One


プローンミー(虾面)のお店(ストール)へ行くと、基本的には2種類のチョイスがある−スープタイプ(湯)とドライ(干)タイプだ。当然、バリエーションはこれだけではない。トッピングを色々選べるのも楽しみの一つだ。日本流に考えると、かけ蕎麦でそのお店の味を確認するというパターンもあるのだがシンガポールでは結構、具を重視する人は多い。さてトッピングだが、海老のデラックスバージョン(デラックスとは、大きさの事だ)、豚レバー入り、ポークリブ入り、ポークテール入り等が代表的だ。シンガポール潮洲料理でバクチョーミー(肉脞麵−豚肉のミンチヌードル)というのがあるのだが、プローンミーにもミンチを入れたらいいような気がする。プローンミーなのだが、実は陰で支えているのは豚なのだ。ところで、来月より恵比寿の海南鶏飯食堂にて通常のスープバージョンだけでなく、期間限定でドライバージョンもやる予定である。皆様、乞うご期待!

7.22.2009

チキンライスの歴史


ハイナニーズチキンライスはシンガポールでは元来、おにぎりのような団子状で売られていた(海南語ではブイ・ジンと言う)そうだ。ただおにぎりのような形 ではなく、ピンポン玉のようにまん丸い。チキンライス売りはボール状のチキンライスを作り置きして町中を焼き芋屋のように売っていた。このようなチキンラ イスボールはご承知の通り、現在ではマラッカの名物となっている。シンガポールでは1950年頃から政府の衛生法が厳しくなった為、チキンライスボールを 歩きながら販売する者は減る事となる。 シンガポールで今のようなチキンライスを有名にしたお店は伝説のスィーキー(瑞記)である。ハイナニーズが多く集う、ラッフルズホテルの裏の路上にそのお 店はあった。今は瑞さんのお店を継ぐ者はいないが、オールドスィーキーやニュースィーキーというレプリカのお店はその近辺にある。 さて、なぜスィーキーはシンガポールハイナニーズチキンライスの元祖と言われているのか?それは1920年の頃、ハイナン島から来たワン・ユィユアンがブ ギス付近にあるハイラムストリート(海南街)でチキンライスボールをバナナリーフに包んで売っていたのが始まりと言われている。終戦後、ワンさんは屋台の お店をコーヒーショップへと移す。1950年—60年、ワンさんはお店の名前を”Communist Chicken”(コミュニストチキン=共産チキン)と名前を変更。それは、当時の中国の暮らしがあまりにも貧しく、新しい共産主義のリーダーシップの 中、より良い暮らしを求めるという願いから由来された名前だ。その後、コミュニストチキン=チキンライスというくらいに知名度があがったのだった。瑞さん はこのワンさんからチキンライスの作り方を学んだと私のリサーチで分かった。現在インターコンチネンタルホテルのあるミドルロードにお店を構え、ライス ボールではなく、現在のピラフのようなライスを世に広めた歴史的人物である(ピラフ方式とは、炊く前に、ライスをそのまま油で炒めて、スープをたして炊く方式の事)。今の30代以上のシンガポリアンはスィーキーの名を良く知っているに違いな い。 しかし、現在マカンスートラで評価の高い天天、五星、南記(これらは、ハイナニーズに広東系の要素を取り入れているといわれている)と違い、当時のチキンライスはもっと素朴な仕上りとなっている。その味を懐か しむ人々は、現在ではイェットコン(逸群)やチンチン(津津)へチキンライスを食べに行くのである。オールドスクールのチキンライスを食べると今の人は物 足りないと思いがちであるが、だれしも、生まれ育った味は格別と感じるに違いない。(参考:シンガポール国立博物館)

7.12.2009

Teochew Style Herbal Mutton Soup

前回ハイナニーズマトンスープの話をしましたが、これは潮洲スタイルのマトンスープです。ハイナニーズに比べて、ほとんど具はマトン以外入っていない。これは肉骨茶(バックッテー)と同じで、マレーシアやホッケンの肉骨茶には具が入っているけれど、潮洲の肉骨茶には入っていなく、いたってシンプルだ。潮洲料理は、そういう意味では日本料理に似ている。シンプルで素材の持ち味を凄く大事にする。さて、潮洲のマトンスープだが、漢方や多めの白胡椒と葉セロリが入っている。個人的にはトマト入れても旨いと思うのだが、そうしたら潮洲にならないのかもしれない(定義はあいまいだが)。ほのかに生姜の存在もあるが、それはやはり獣臭を消す効果があるのだろうか?チリソースには南乳はなく、その分酸味が効いていてマトンに合う(南乳もたしかに合う)。

So this is the other mutton soup -the Teochew version with chinese herbs, white pepper and ginger. The chili sauce do not contain nam yu (fermented bean curd) like the Hainanese version but Teochew one is more tangy.

7.08.2009

Hainanese Mutton Soup @ Chin Chin 海南羊肉湯

チャイニーズマトンスープには潮洲と海南スタイルがある(その他、インド風のマトンスープもある)。今回は海南スタイルを紹介しよう。この料理もシンガポールハイナニーズが作った料理かは確認できないが、恐らくハイナン料理というより、シンガポール料理ではないだろうか。クレイポットで出されるマトンスープは見た目濃いが、味は以外にあっさりしている。すっきりとしたマトンスープには臭みを消すのに生姜が結構使われている。風邪を引いた時には効きそうなトニックだ。
海南マトンスープは必ず、赤い発酵豆腐の南乳(ナンルゥ)の入ったチリソースが付く。少し臭みのあるソースはまさしくマトンの獣臭を消してくれる(興味深いコンセプトだ)。けど、ハイナニーズスティームボート(鍋料理)もこの南乳の入ったチリソースを付けダレとして使うのが定番となっている。海南マトンスープはテオチュマトンスープに比べ、マトン以外の具が入っている。定番の具は木耳、湯葉、クコの実、そして、葉セロリー(キンサイ)だ。

7.05.2009

Sparkling Oldenlandia Water 白花蛇草水

蒸し暑いシンガポールで食事と一緒に何を飲んだらよいのか悩んでいた。肉骨茶には当然、鉄観音だが、その他の料理は最近ではこの白花蛇草水(パイ・フア・シィ・カオ・シュイ)と決めている。オルデンランディアを検索すると日本では白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)というそうだ(詳しくはこちら)。爽やかな無糖のスパークリングウォーターでほのかにさわやかなハーブの味がする。例えるのならどことなくカモミールとジャスミンを合わせたような感じに似ているのだが、どことなく漢方っぽい味。気泡も力強く、東洋のペリエといったところだ。原産地だが、中国の山東省の青島(ビールでも有名)だ。シンガポールのほとんどの売店で手に入り、買うと、塩を渡される。現地では、少し塩を入れて飲むのだそうだ(汗で不足したミネラル不足を防ぐ為か?)。

7.03.2009

Hainanese Pork Chop @ Chin Chin Eating House 海南猪肉扒

ミドルロード(Middle Rd)、 パーヴィスストリート(Purvis St)、シアストリート(Seah St)、はシンガポールハイナニーズにとって落ち着く場所である。ここは昔、リトルハイナンといわれ、多くのハイナニーズが1900年代初期から海南島より移住しこのエリアを商業の中心とした。元々これらの道路はHainan 1st Street, Hainan 2nd Street そしてHainan 3rd Streetと呼ばれていた。この道で特にオールドスクールなハイナニーズレストランがあるのはパーヴィスストリートである。Chin Chin Eating House (津津)はオールドスクールのチキンライスやハイナニーズマトンスープ、ハイナニーズプローンロール、そして定番のハイナニーズポークチョップがある。このポークチョップは、シンガポール洋食の一つでカリーパフや牛テールシチューなどもシンガポリアンにとっては懐かしい味の一つだ。薄めのカツに定番の付け合わせはグリーンピースとフライドポテトだ。それに醤油や時にはオイスターソースの入った、片栗粉でトロミを付けたトマトソースがたっぷりとかかる。この辺がハイナニーズのアダプテーションだろう。
Middle Rd. Purvis St. and Seah St used to be called Hainan 1st St., 2nd St., 3rd St. respectively. From what I hear, this area was also known as Little Hainan where during the early 1900's, people from Hainan island flocked over to this area (where Beach Rd. is) and made it a commercial centre. I was eager to try the Singaporean Hainanese cuisine -a cuisine mostly unknown to Hainan island. And of course there is the Hainanese pork chop at Chin Chin Eating House along with Hainanese chicken rice, Hainanese mutton soup, Hainanese prawn roll, etc. The pork chop comes with beans and fried potatoes and I suspect these must be the typical garnish for Hainanese pork chop. The cutlet is thin and resembles a Weiner schniztel or an escalope Milanese. The sauce is very distinct, namely, tomato-based sauce with a hint of soy sauce and thickend with not butter or roux but corn starch -a Chinese influence. Very hearty meal and somewhat nostalgic (because we do have these kind of Continental sytle cuisine with Japanese interpretations), for a Japanese palate.

Loo's Hainanese Curry Rice 海南咖哩

シンガポールの海南チキンライスは海南島のとは別物と以前お話をしたが、海南島に無いこのハイナニーズカリーライスもシンガポールの海南系の人々が考案したオリジナル料理だ。複数のおかず+ライスという売店はシンガポールに無数あり、ジャンル分けするとインドネシア系のナシパダン、マレー系のナシレマッ、ホッケン系のチャプチャイライス、テオチュウ系の潮洲ポリッジ等がそうだ。楽しいのは、迷う程(お肉類、魚類、野菜類が豊富!)のおかずを選ぶところにある。ナシパダンであれば、レンダンとう牛のココナッツ煮込み、ナシレマッであれば、フライドチキンという具合にハイナニーズカリーライスも定番のおかずというものが存在する。それは、ハイナニーズポークチョップだ。ハイナニーズポークカツレツの方が正しいと思うのだが。
Singaporeans know that Hainanese is not only about chicken rice. Economical rice or Hainanese Curry rice is rice with buffet-like choices of savory stuff that has been braised, steamed, deep fired and stir fried served with a dollop of curry gravy (and other sauces). The main show of Hainanese curry rice is hainanese pork chop that's been a staple only in Singapore, not in Hainan. From what I know, because lots of Hainanese men were chefs to the British high ranking officers, they mastered the art of Continental cuisine and breaded pan-fried pork was one of many. However, the cooks would add a little twist to the gravies, namely, by adding soy sauce and/or some oyster sauce to achieve a unique flavor.

英国領である時に、多くのハイナニーズがイギリス人の専属シェフであった為、シンガポールでは日本のような洋食というものが存在し、シンガポール洋食=ハイナニーズとなっている。ハイナニーズポークチョップは日本のトンカツと作り方はあまり変わらないが、パン粉の種類の違い、エスカロップやウィンナーシュニッツェルのように豚を薄く叩く事、そしてトマトベースのソテーソースを使用するところが大きな違いだ。
Right next to the Tiong Bahru Market, there's a popular Hainanese curry joint called Loo's, established 1946. According to the Article on The Sunday Times which was plastered on the stall window, the curry gravy takes 3 days to make. Rempah's are fried gently for hours and then slowly cooked with fresh coconut milk. I believe the curry needs to rest for 2 more days in a refrigerator so that the flavor melds with aging. And thus, it takes 3 days to make but the actual hours spent on making a curry is just few hours -is it THAT laborious? Don't believe the hype.
ティオンバルマーケットの近くにある、創業1946年のここLoo'sでは10種類くらいのおかずがある。種類は若干少なめではあるが、その分カリーグレービーの仕込みに時間をかけているそうだ。定番のポークチョップ以外に、豚バラ煮込みのブラックソース、アッサムフィッシュ、サンバルソトン(いかのサンバル煮込)、エッグカスタード、たくわん(チャイポー)入りオムレツ、フライドエッグ、キャベツと春雨の炒め、サユーロデー(ベジタブルのココナッツ煮込み)等がある。おかずを選んだ後に特製のカレーグレービー(日本のカレーうどんをもっとマイルドに仕上げた感じ)、煮豚の醤油グレービー、そしてケチャップが入った甘いポークチョップのグレービーと計3種類のソースを好みでかけてくれる。これらのソースを自分流にまぜまぜしておかずと一緒に食べるとこれまた美味だ。ちなみに今回注文したのは、カリッカリに仕上がったポークチョップ、チャイポー入りオムレツそしてキャベツと春雨。